CALSとは「Continuous
Acquisition and Life-cycle Support」
の略で、企業・機関の生産・調達・運用などにおける支援統合システムと和訳されています。
また、その一般的な定義は次のようになります。
「部門間、企業間において、設計から製造・流通、保守に至る製品等のライフサイクル全般にわた
る各種情報を電子化し、技術情報や取引情報をネットワークを介して交換および共有し、製品等の開
発期間の短縮、コスト削減、生産性の向上等を図ろうとする活動であり、概念である。」
ということでCALSの前に建設をつけ、後にEC(Electronic
Commerce 電子商取引)をつけて、
「建設CALS/EC」と称しています。
しかし、これだけでは何のことかよくわからないという方が多いと思われるので、CALSという言葉
の成り立ちについて簡単に触れたいと思います。
そもそも、CALSという言葉が生まれたのは、1980年代半ば、米国の国防総省でした。
当時のCALSは軍の後方支援のために作られた、ペーパーレス化を計るための情報システムのコンセプト
でした。すなわち、年々ハイテク化が進む兵器のマニュアル類が膨大な量となり、これを紙で管理して
いたのでは、実戦の際の迅速な対応等が不可能となってきたため、情報の電子化および標準化が避けら
れない状態となったのです。
例をあげると、B-1爆撃機のマニュアルを紙で打ち出すと飛行機そのものの重量(89t)より重くなってし
まうそうです。
結局、簡単にいうと、これまで「紙」でやりとりしていた情報を電子化し、インターネット等により
関係者が分散共有することができるシステムということです。
CALSは、電子化によって単にこれらの問題を解決するだけでなく、以降のマニュアル類の訂正にも迅速
に対処できる、あるいは部品類の調達の際にも有効であるという利点を持っています。