研究業績とその概要 (2006年4月現在) |
著書: [1]. 『情報数理の基礎』、単著、学術図書出版社、 本書は,情報数理科学の基礎理論について論じるものである。第1章では,アルゴリズムの定義,表現方法と評価基準等を解説する。第2章では,計算可能性について説明し,「チャーチの提唱」と「チューリング機械」について詳しく解説する。第3章では,計算の効率について考える。アルゴリズムの計算量の定義,効率的な計算量,NP完全問題について解説する。第4と5章では,グラフ理論基礎的な定義や性質などについて解説する。 [2]. 『Excelによる数値計算法』 EXCELによる数値計算法を解説する本である。第1章:数値計算法の基礎、第2章:方程式の解法、第3章:行列と連立方程式の解法、第4章:多項式による補間と近似、第5章:数値積分法、第6章:常微分方程式の解法。本書の特徴は、厳密な数学理論でなく、数値計算法の基礎理論に基づいて、高度の計算機能をもつEXCEL(エクセル)を使用することにより、数値計算の諸問題を簡単に解決する方法を紹介する。ここで紹介された方法を用いれば、プログラムやコンピュータ言語などに関する知識が必要ではなく、マウスだけを動かせば、数値計算問題がほとんど解決できるから、情報工学を学ぼうとする学生諸君また情報処理技術者にとって、非常に役立つ技術ともいえよう。 [3]. 『コンピュータとネットワーク概論』 情報化社会において,コンピュータとインターネットは社会の隅々まで浸透しており,本書は,コンピュータやネットワークに関する基本知識と基本技術を習得することを目的とし,主な内容は次のようになる。第1章、コンピュータの歴史と発展について述べる.第2章では2進数を用いる情報(数字,文字,画像,音声)の表現を説明する.第3章は,コンピュータを実現させる基本的な論理代数と論理回路を紹介し,コンピュータがなぜ高速計算できるか,なぜ大容量記憶できるかを説明する.第4章では,コンピュータの五大装置をそれぞれ解説する.第5章は,プログラムに関する基礎知識を習う。第6章は,ネットワークの基礎知識について,構成要素,プロトコルとネットワーキングデバイスに分けて習得する.第7章では,LANに関わる基本的な概念,第8章ではインターネットの発展と利用について解説する.第9章では,情報化社会における倫理とセキュリティについて論じる. 博士論文: Title: A Study on W-graphs: Properties
of Graph Models Containing Unspecified Tree Structures (W−グラフに関する研究:未確定な木状接続構造を有するグラフモデルの性質)(概要) 学術論文(最新の順): [1].
W. ZHENG, C. LIU , H.A.
ZHAO,“Iterative Breadth-First Detection Based on
Sorted Symbol Reliabilities for Coded MIMO Systems ”,Proc. of 2006 Int. Symp. on Intelligent Signal
Processing Communication Systems ,pp. 367-370,2006年12月. This
paper is concerned with a reduced-complexity soft in soft out detection
algorithm, which is applied in iterative receivers for channel coded
multiple-input multiple-output systems. [2].
X.Wang, C. LIU, H.A.
ZHAO,“Space-Time Block Coded OFDM for Wideband
Wireless Communications”,Proc. of 2006 Int. Symp. on
Intelligent Signal Processing Communication Systems ,pp.
355-358,2006年12月. This paper
proposes a new systematic design framework called STBC- LP- OFDM for wideband
wireless communications, which is developed from combining Linear Preceding
Orthogonal Frequency Division Multiplexing (LP-OFDM) with Space-Time Block
Code (STBC). [3].
H.A. ZHAO, C.LIU, T.MIHARA,“The Binary
Repre- sentation for Floorplans and Its Applications ”,Proc. of 2006 Int. Symp. on Intelligent Signal
Processing Communication Systems ,pp. 550-553,2006年12月. フロアプランを2進数の線列で表し,その間の1対1対応していることを証明した.2進数の線列を用いて,最適化するときに,GAとSAの2つの方法をともに使えるようになる. [4].
王 瑞剛,趙 華安, 三原 徹治“PERTにおける資源需要の均衡化を求めるアルゴリズム”,FIT2006(第5回情報科学技術フォーラム)A-026, pp.53-56,2006年9月. プロジェクトの計画管理法(PERT/CPM)において,クリティカル・パスではない作業の開始時間の余裕がある.作業開始時刻をいかに調整すれば,必要な資源需要が均衡になるか,本論文はこれについての最適法を提案する. [5].
H.A Zhao, Z. Yang, T. Mihara, etc, “VLSI Floorplanning with Boundary Constraints using Genetic Algorithms ”,Advances
in Natural
Computation and Data Mining, pp.59-68, 2006年9月. 遺伝的アルゴリズムを用いて,Boundary制約条件を考慮したフロアプランニングの新しい手法を提示する. [6].
Y.Tanaka, Y.Mizuno,
T.Kado, H.A.Zhao,“Nonlinear Dynamics in the Relativistic Field Equation”,Chaos, Solitons & Fractals
(ELSEVIER),No.31.pp.1054-1075,2006年8月. 本論文は,relativistic
Field 方程式における非線形の性質を明らかにした.理論的に,まず重力的効果を無視した場合とその効果を含めた場合とに分けて説明し,ソフトウェアを作成して,古典的時間発展および宇宙論的論説をコンピュータでシミュレーションした.その結果は,カオス現象とフランクタル現象を確認された. [7].
“ビットストリングによるフロアプランの表現”(楊振宇,王京,三原徹治,趙華安)、電子情報通信学会全国総合大会講演論文集, A-3-11、2006年3月 VLSIのレイアウト設計において、フロアプランニングの一手法を提案した。フロアプランを(0,1)の線列で表し、そのメリットを解析した。実験結果はこの手法の正確性が検証された。 [8].
“Q-Sequenceを表現するBinary codeに関する基礎的研究”(相良栄作,三原徹治,趙華安,石川康成,千々岩浩巳)、平成17年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集、2006年3月. パッキング問題をQ-Sequenceで表現し、GA(遺伝的アルゴリズム)を用いて最適化を行うために、Q-Sequenceをビットコードに変換し、効率よく最適化が簡単に行える。 [9].
“最大流制約を受けるネットワークの最適更新手法に関する一考察”(千々岩浩巳,三原徹治,趙華安,石川康成,相良栄作)、平成17年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集、2006年3月. ネットワークの性能を向上させるため、任意の2点間の最大流量を増加する方法を考える。この方法はコストが最小に実現できるので、交通網やコンピュータネットワークの最適化に使われる。 [10].
“Nonlinear dynamics in the Friedmann equation”(Y.Tanaka,
Y.Mizuno, T.Kado and H.A.Zhao)、九州共立大学工学部紀要,第30号,pp. 1-8、2006年2月. 本論文では,制約条件をつけたFriedmann方程式のカオス現象を発見した。初期条件の微量の変化により、フランクタルおよびカオス現象を図示した。 [11].
“最大流制約下のネットワーク最適化に関する基礎的考察”(三原徹治,趙華安,石川康成,相良栄作,千々岩浩巳),第9回設計工学に関するシンポジウム講演論文集, pp.153-158、2005年12月. ネットワークの最大流問題は,各辺容量の制限を超えることなく,入口から出口まで,物資(データ)を輸送することができる最大流量を求めることである.本論文はネットワークの固有最大流より大きな流量を流す制約下で,ネットワーク構造を変化させないという前提で,近似アプローチとしての遺伝的アルゴリズムGAを用いて適切に辺容量を増加させることにより,最適な手法を提示する. [12].
“Floorplan Design
with Boundary Constraints”,( Z.Yang, T.Mihara, H.A.Zhao,etc.,), 2005年電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集A-3-6,2005年9月. GA(遺伝的アルゴリズム)を用いて、フロアプランの配置問題の境界制約を解決する方法を提案し、実験結果をまとめる。 [13].
“ Optimizing Communication Networks with
Specified Max Flow”,( J.Wand, Z. Yang and H.A.
Zhao), Proc. of The International
Conf. on Electrical Engineering 2005, Vol.1, pp.413-419, 2005年7月. ネットワークにおいて、最大流が指定された場合、2つの方法を最適化条件として提案し、最適化するアルゴリズムを提出する。 [14].
“Diagonal Block Orthogonal Algebraic Space-Time Block Codes”,
(C. LIU, Z. WU and H.A. Zhao), 電子情報通信学会論文誌IEICE Trans. Info. and
Systems. Vol. E88-D, No. 7, pp.1457-1459, 2005年7月. 通信ネットワークにおいて、送受信ための効率コードを提案した。このコードにより信頼性、安全性を向上できる。コーディングとデコーディングに関する2つのアルゴリズムを開発する。 [15].
“最大流制約のネットワーク最適法”,
(王京、趙
華安),2005年電子情報通信学会総合大会講演論文集,2005年3月。 ネットワークの性能を向上させるため、流れる最大流量(伝送速度)をアップすることを考える。最小コストで指定した最大流を流せるようにすることが目的である。まず、ネットワークのボトルネックを検出して、最小コストでネットワークの最適化を行う。 [16].
“EQ-Sequences for Coding Floorplan”, (H.A. Zhao, C. Liu, Y. Kajitani and
K.Sakanushi),電子情報通信学会論文誌 IEICE Trans. Fundamentals.
Vol. E87-A, no. 12, pp. 3233-3243, 2004年12月. EQ-Sequenceを用いたVLSIの配置方法を提出した。encode, move and decodeの方法に関する7つのアルゴリズムによってシステムを構成する。 [17].
"A Compact Code for Representing Floorplans VLSI(超大規模集積回路)レイアウト設計において、ブロック配置の位相関係を表すために、新しい表現法EQ-Sequenceを提案しました。EQ−Sequenceは各ルーム(モジュール)の隣接関係を正しく表現できる。エンコードとデコードの両方ともO(n)の計算量で設計できる。) [18].
"Excel VBA による数値計算法についての研究", 数値積分法、常微分方程式の解法を中心に、まず解き方を説明し、そしてコンピュータによる計算手法としてEXCEL VBAを使い、計算方法を説明する。この方法を用いればあるいは拡張すれば、専用な数学ソフトが必要なく、一般的な数値計算問題がマウスだけを動かせばほとんど解決できる。 [19].
" A Preferred Link Functions for Delay-Constrained Least-Cost
Routing 通信ネットワークの信頼性は、端点信頼性と全体の信頼性に分かれており、前者はネットワークの任意の2点間の最大流の容量制限の問題になり、後者は全ての端点を連結する生成木の存在する確率を求めることになる。これらの問題を解決する2つのアルゴリズムを開発する。 [20].
"A Real-time Speech Quality Improvement System リアルタイムの音声改善システムの提出。テキスト自動音声発生システムの出力、またはマイクなどを音声源として、本システムに入力して、リアルタイムで処理し、1/fゆらぎの特性をもたらし、自然な音声に変換できる。 [21].
"カオス現象における1/fゆらぎの観察 1/f
ゆらぎは、自然界でよく見られる現象で、「美しさ」や「快適感」を感じさせる。カオスは、不規則な現象の挙動で、偶然性によって起こる非決定論的な事象である。本研究は,カオス現象における1/fゆらぎを観察・解明することにより、単純と複雑の間に繊細な関係を明らかにすることが目的である。 [22].
"A Speech Quality Improvements System by Means of 1/f Fluctuation
Theory 人間の音声を,良いか悪いかと評価するには,現在のところ明確な方法はない.また,現代社会において自然性が欠けている合成音声が利用されている場面も多く見られ,音声処理の研究も盛んに行われている.そこで本研究では,
1/fゆらぎ理論による音質評価方法を提案し,この音質評価方法による音質改善システムを作り出すことを考える. [23].
"1/f ゆらぎ理論による音質改善システムの検討 現代社会において自然性が欠けている合成音声が利用されている場面も多く見られ,本文は1/f
ゆらぎ理論を用いて音質改善システムを作り出す方法を検討している。 [24].
"A Portable Drive System for Small-Capacity Electrical Vehicles 携帯用小型電気自動車の開発に関する研究で、駆動システムを提案している。本システムを利用すれば、車椅子が簡単に電動車に変身できる。 [25].
"A Handy Type Electric Drive System of Wheel Chairs 普通の車椅子に携帯用駆動システムをつけることにより、電動車になることを示している。駆動システムの開発、車椅子の付け方と安全性などについて実験を行った。 [26].
"Domain Wall
Pinning in Grain-Oriented Silicon Steel with Orientation near (110) [001]", 3%Si-Feのエネルギー損失を減少させるために、磁壁のピンシングの様子を観察した。その結果、試料表面の平滑度及びフォステライトと3%Si-Feの界面形状が重要であることが分かった。 [27].
"The Power Characteristics of Electric Vibrators 電気自動車のパワー特性についての研究で、省エネルギーの運転パターンを解明し、効率よい電気自動車を作り出すことが目的である。 [28].
"A Method for
Inhibiting Vibrator’s Transient Delays 加振装置の瞬間起動と停止する方法を研究し、その応用に言及している。 [29].
"電動式バイブレータの瞬時動作制御の一手法", 著(趙華安,藤井邦夫,池本友洋,柳原一博) 振動および振動技術は、幅広くいろいろな分野に応用されている。振動の起動と停止について厄介な慣性があり、制御しにくい所である。本文は振動の瞬時制御(起動と停止)ができるような3次元振動モードを作り出す一手法をレポートする。 [30].
"An Application of 1/f Fluctuation Theory for
Automatic Speech Systems 1/f ゆらぎ理論による自動音声システムを提案している。音質調整可能である。音質は今まで定性的に評価しかきたが、本文はまず音声に対する定量的な評価方法を示し、人間の感覚的なものを数値化にして評価する。自動音声システムの発展に寄与することが大きいと思われる。 [31].
" A Study on the
Power of Electric Vibrators 電気振動装置の省エネにつていの研究である。有害環境の工事現場または立ち入り禁止の危険場所において、遠隔制御のできる加振装置がしばしば必要である。本文は、省エネという条件の下で、加振装置の性能が最大に発揮できる運転モードを調べた。反回転方式でウェートとウェートの間の挟角を−1200の前後にし、モーターの回転数をなるべく高くすることがベストモードであるとわかった。 [32].
"A New Model of VLSI by W-graphs ", VLSIの設計のため、同ネットの接点をwild componentと定義することにより、VLSIに設計される電気回路をW-graphで表現できることを示す。配置、配線の諸問題をグラフ理論の問題に帰着でき、新しいグラフモデルの良さを示している。 [33].
"Applications of Small Capacity Driving System Using Induction Motors", 小形電動車の実用化に対して、24Vバッテリー駆動用のベクトル制御インバータと小形三相誘導電動機を新しく開発した。実用化応用として2種類の電動車を試作し、環境性に優れた制御性能を示している。 [34].
" Electrical
Vehicles Driven by A Small Capacity Induction Motor ", 誘導電動機による駆動システムで構築された小容量電動車を提案する。10種類の電動車を試作・開発により、同期式電動期にない特徴を明らかにしている。 [35].
" Researches on Small Capacity
Vehicles Driven by Induction Machine "、共著(K.Fujii, H.
Kumai, E. Ishii, S. Higaki, S. Yamaguchi, H.A Zhao)、Proc.
of 6th International Workshop on advanced Motion Control、pp.465-468 小容量電気化乗り物の駆動システムについての研究 [36].
"歩行ワーキングロボットの制御に関する研究" 全電気加振装置を利用して、さらに機能を付加して、振動発生をしながら、歩行できるロボット(Walking Work Robert)の可能性を考慮し、その制御法と技術を提案する。 [37].
“全電気式加振装置の1/fゆらぎ制御方式に関する研究”、共著(趙 華安、藤井 邦夫)、電子情報通信学会ソサイエティ大会論文集 全電気加振装置を用いて、1/f ゆらぎ制御による振動発生させ、省エネで低騒音の多彩な3次元振動モードを作り出す技術を提案する。 [38].
"連結グラフにおける全ての回路を求める一手法" 本論文では、まず広義パス(wide paths)を定義し、連結グラフにおける2頂点間の全ての広義パスと全ての回路との関係について議論する。分離不可能なグラフに対する求め方に基づいて、Z演算とL演算を定義し、連結グラフの全ての回路を求めるアルゴリズムを提案する。 [39].
"ラグランジュの多項式による D/A 変換法" ラグランジュの多項式を利用して各ディジタルサンプルの間で補間を行うことによるD/A変換法を論じている。 [40].
"A New Technique of D/A
Conversions"、単著、Proc.
of 1997 IEEE ISCAS, Vol.1, pp.13-16, 1997年6月. ディジタル信号は処理した後,常にアナログ信号に変換しなければならない。本論文では,従来 D/A 変換法に比べて,より良い方法を理論上で証明し,新しい D/A 変換法を提案している。コンピュータのシミュレーションにより,この方法の高精度性と高速度性が明らかになっている。 [41].
"正弦波を用いた補間法による D/A 変換" D/A 変換のことを数学立場で考えると,直線からなる階段式の関数による補間と見なすことができる。本論文では,その直線を正弦波の曲線に変えて考察し,正弦波を用いた場合は直線と比べて,誤差を大幅減らせることを証明している。 [42].
"A Mathematical Method for D/A
Transformation"、単著、Proc.
of ICCASS, Vol.1, PP.325-327, CD-ROM などのマルチメディアが広範囲に使われている今日,D/A 変換の精度と速度がいっそう高く要求されている。本論分は,数学的な方法を用いて,ディジタル信号の3つのサンプルポイント di, di+1, di+2 が持つ情報から,di と di+1 の補間を正弦波で行うことによる D/A 変換方法を提案する。従来の方法と比べて,低域通過フィルタの使用は不要となり,コンピュータによる D/A 変換のシミュレーションなどにも良い方法であると思われる。 [43].
"Small Change in Rectangular
Wave for D/A Transformation"、単著(招待論文)、Proc. of IEEE ICNNSP, Vol.2, PP.1063-1066, Dec. 1995, 1995年12月. ディジタル信号処理中,騒音(Noise)を最小限に抑える方法を論じる。ディジタル信号をアナログ信号に変換する際に,スイッチ騒音が生じる。この原因は,フィルタを理想化した結果である。本論文では,まずディジタル信号をフーリエ変換し,周波数の領域でそのスイッチ騒音の原因を分析し,その騒音を削除できるようなD/A変換器を作る方法を提案している。本方法の有効性と正確性を厳密に数学上で証明しており,応用上で簡単に実現できる方法である。 [44].
"Properties of Circuits in a
W-graph" 特定しない「辺」が存在しているのがW−グラフの特徴である。W−グラフに立脚した閉路(W−閉路)の性質について詳しく論じ,興味ある性質を導き出している。即ち,W−閉路の排他的論理和は,また,同じW−グラフのW−閉路となるという閉じた性質である。このことから,W−グラフは幾つかのW−閉路(C1,C2,...,Cn)とすると、その変換した非辺隣接閉路(C1*,C2*,..,Cn*)とする場合、もし、W-閉路(C1,C2,..,Cn)が1次独立ならば,変換された非辺隣接閉路もまた1次独立であることを証明している。 [45].
"Some Problems between a W-graph
and Its Derived Graphs"、共著(趙 華安、前田 渡)、Journal of the Franklin Institute, 接続関係の不明な木構造がW−グラフには存在する。接続関係を指定していなくても,通常のグラフの性質を持っている。本論文はこのことについて論考したものである。W-閉路とW-Cutsetは排他的論理和の下で,Abel群の性質を示すことが証明できた。また、特定のW-グラフの構成要素の内部構造が特定されれば,W−グラフが一般的なグラフ(派生グラフ)として振る舞うことを示し,これらの性質について論じた。 [46].
"Matrix Representation of a
W-graph"、単著、Journal of the Franklin Institute, Vol.329,
No.6, pp.1011-1039, この論文では,W−グラフの数学的な定義を試みている。その結果,通常のグラフ理論における閉路(Circuit)とカット セット(Cutset)に対応した,W−閉路と W-Cutsetを定義し,W−グラフにおける「排他的論理和(Ring sum)」が定義できた。その後,通常のグラフ理論で利用される行列表現を用いつつ,W−連接行列, W-Cutset行列およびW−閉路行列をも定義しつつ、それらの性質を明らかにした。 [47].
"Properties of W-tree"、共著(趙 華安、前田 渡)、電子情報通信学会論文誌(英文誌) W-グラフにおいての木構造(W-木,W-Tree)を定義した。また,通常のグラフ理論で定義されている最小の完全グラフである基本閉路あるいは基本Cutsetに対応する,基本W-閉路あるいは基本W−Cutsetを定義する事ができることを示した。この結果,W-グラフにおいて,1次独立なW-閉路行列とW-Cutset行列を求められると結論できた。 [48].
"On Planarity of W-graph" 本論文では,W−グラフの理論を更に発展させ,W−グラフが位相幾何学的に平面であるための定義を行なった。また,具体的問題として,W−グラフで表現される回路網が平面であるか否かを判定するための幾つかの十分条件を示した。 [49].
"W-trees in a W-graph" W−グラフにおいて,W−treeを定義し,その性質について述べ,その重要性を強調している。 [50].
"An Approach for Topological
Routing by W-graphs" 著者の提案したW−グラフの応用として,2層 Topological 配線問題を考え,ビア数最小化問題はW−グラフの平面性判定と平面描画という問題となることが示されている本モデル化の有用性に言及している。 [51].
"Wild Components for Layout
Designs" W−グラフに Wild Components という未定義な構造が含まれているから,W−グラフを超大規模集成回路の配線と配置に応用し,W−グラフの良さを示している。 [52].
"Properties of a Graph
Containing Wild Components," 共著(趙 華安、前田 渡)、Proc. of IEEE Conf. on CAS, Vol.2,
pp.750-753, 1989年6月. W−グラフを定義し、それは新しいモデルであることを述べ、通常のグラフで解決できなかった問題がこのモデルにより解決できることを論じてい [53].
" A Method of Systematic Lever
Fault Diagnosis", VLSI/IC の Chips のテストまたは故障診断をするとき,グラフモデルを提出し,このモデルにより問題を解くアルゴリズムを作り上げている。 [54].
"Self-testing for Micro-computer
Systems", パソコンにおける自己故障診断の一手法を提案している。故障診断問題がグラフ理論の中の2つの問題に帰着できることを証明している。 [55].
"A Graph Model and Optimum
Solution for Resource Balance in PERT", 線形計画の PERT 問題に対して、そのグラフモデルを提案し、グラフ理論の手法を用いて、最適解を求める方法を与える。 |