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 十八世紀以降、そのようなすたれてゆくバラッドを蒐集し保存する動きが盛んになりました。代表的なものは、聖職者・詩人であったトマス・パースィー(1729-1811)の『英国古謡拾遺』(1765)、詩人サー・ウォルター・スコット(1771-1832)の『スコットランド国境地方の歌』(1802-3)などです。このような蒐集活動が、イギリスやドイツのロマン派詩人たちの注目するところとなり、伝承バラッドを模倣したいわゆる「バラッド詩」と呼ばれるものを生み出してきました。初期のものは、文字どおりの元歌のはっきりした模倣詩を越えないものだったりしますが、やがて詩人たちは、バラッドの題材や形式の様々な展に惹かれ、決して単なる模倣詩とは言えない、優れて自立した作品を生み出しました。そのようなバラッド詩の系譜は、現代詩人に至るまで脈々と続いていることも決して看過できません。それは、自我の葛藤にさいなまれる近代以降の詩人たちが、自意識の無い豊かな想像の世界へ限りなく憧れる姿と言えるかもしれません。

--「バラッド −緑の森の愛の歌−」まえがきより

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