以後、口承バラッドがブロードサイド・バラッドに吸収されたり、逆にブロードサイドバラッドが口承バラッド化したりという風に、両者は複雑な交流を見せてゆきますが、いずれにしても社会が近代化、都市化してゆくにつれて、非文字文化はどんどんその存在理由を失い、バラッドがうたわれる土壌は辺境の地に狭められてゆきました。
--「バラッド −緑の森の愛の歌−」まえがきより