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 ブロードサイド・バラッド broadside ballads

 このようにしてうたい継がれてきたバラッドですが、文明の進展が皮肉にもバラッドの運命を変えてゆきました。イギリスでは、バラッド最盛期は十五、六世紀と言われ、シェイクスピアなどの当時の劇作品の中に流行のバラッドが盛り込まれたりしていますが、それは同時に、印刷術の発達によってそれまでの口承バラッドが文字に定着する運命を迎える始まりでもありました。印刷技術の文化の誕生が生み出した新しいタイプのバラッドは「ブロードサイド・バラッド」と呼ばれ、片面刷りの大判紙に歌を印刷して、路上でうたい、売るという姿が生まれました。それまでの口承バラッドが、主として田舎の農民たちの間で長い年月をかけてうたい継がれることで、いわば独特な蒸留化された物語を伝えてきたのに対して、この新しいタイプのバラッドは、印刷技術の近代性からしてそれは、都会のものであり、時局の政治的、社会的事件を文字にして即刻人々に伝えるという、ジャーナリスティックでセンセイショナルで教訓性に満ちたものでした。

--「バラッド −緑の森の愛の歌−」まえがきより

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