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その後も、二十世紀に入って英国各地でバラッド蒐集は続けられ、特に一九五〇年代以降、スコットランドのエディンバラ大学スコットランド研究所が現在に残るバラッドの蒐集活動を続けています。それらの蒐集されたバラッドをレコードやテープで聴くことができます。また、一九六〇年代以降、ジョウン・バエズを代表とするフォークソングやスティーライ・スパンらのロックを通して、歌としてのバラッドが変奏された形で今日に生きています。しかし、残念ながら生の形での本来のバラッドのうたわれかた、すなわち、多くの民衆に親しまれ、親から子へとうたい継がれるバラッドの姿は、今日ほとんど消滅したと言っても過言ではありません。更に注目すべきことは、チャイルド版と、ほぼ一世紀を経て現在蒐集されているスコットランド研究所を比較してみるとき、物語性が大きく失われていることです。この点も、先に述べた現代人の想像力の衰退と無縁ではないのかも知れません。 |
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